リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

2nd(3)【メンタルブレーキ②】 自分に自信がなく、どうせできないと思い込む。

【メンタルブレーキ②】 自分に自信がなく、どうせできないと思い込む。
 ・完璧主義ではなく「完了主義」で!
 
 
本日は、以上のテーマで進めてまいります。
 
【メンタルブレーキ②】 自分に自信がなく、どうせできないと思い込む。
 ・完璧主義ではなく「完了主義」で!
 
 
 
 
〇「失敗したらどうしよう」という不安がジャマをする。
 
失敗を恐れることで、
手を付けることができない。
なんてことも
経験したことがあると思います。
 
「自分はやればできる」と
思える感情のことを
「自己効力感」といいます。
(ちなみに自己肯定感とは違います。)
 
これは、
カナダの心理学者である
アルバート・バンデューラが
提唱した概念です。
 
端的に言うと、
自分の行動に自信がある状態と言えます。
 
この
「自己効力感が低い」と
取り組む前から
強い不安に苛まれ
「先延ばし」してしまうのです。
 
いわゆる
目の前のタスクからの
「逃避行動」なのです。
 
 
ただ、
ここで重要になるのが、
この「自己効力感」というのは、
あくまでも
自分が自分に対する ”思い込み” であり、
自分の能力に対する ”自己評価” でしかない。
ということなんです。
 
意外に
「やってみれば出来た」という
経験はないですか?
まさにこれば
「自己効力感が低かった」ことなんです。
 
 
ちなみに、
「自己肯定感」についても説明しておきます。
 
先ほどの説明した
「自己 ”効力” 感」は、
自分の能力や行動に対しての「自信(自己評価)」です。
 
「自己 ”肯定” 感」は
自分で自分の「存在価値」を認めることです。
 
この自己肯定感は、
・自己愛
・自尊心
・自己受容
から成り立っています。
 
これについては、
別の機会で話を出来ればと思います。
 
いずれにせよ、
全く違う概念だということを
認識をしてください。
 
 
 
そして、
もう一つ大事なのが、
タスクの本来の難易度です。
 
 
例えば、
・1週間で全ての業務を覚えなさい。
・来月までに英語をマスターしなさい。
・1年かけてトイレ掃除しなさい。
などです。
 
現実的に、
・レベルが高すぎる
・荷が重すぎる
・手間も時間もかかりすぎる。
ということです。
 
これは想像しやすいかと思います。
どう考えても不可能なことは、
やりたくないですよね!
 
または、
1年かけてトイレ掃除だなんて
途方もなく時間を掛けてる割には、
トイレ掃除しか出来ない。
飽きるし、
やる気もでないですよね!
 
要は、
「難しすぎても簡単すぎてもダメだ」
ということです。
 
 
では、
どうやって、
ちょうどいいレベルを見出したら良いのでしょう?
 
実は、
ロシアの
心理学者レフ・ヴィゴツキー
50:50の難易度設定がよいことを見つけました。
 
どういうことかと言うと、
「”難しいな” と思える内容が半分」
「これは ”簡単だな” と思える内容が半分」
という状態が ”適切な難易度” ということなのです。
 
これを厳密に守る必要はないので、
「難しい作業」や
「未知の経験」が
3割くらいの状態が、
「先延ばし」が生じにくいと言えそうです。
 
 
〇 自尊心を守る「言い訳づくり」という先延ばし
 
 
失敗が怖いという心理は、
ときに、
「失敗したときの ”言い訳” のための先延ばし」を
生み出します。
 
例えば、
仕事の締め切りが迫っているときに限って、
デスクの整理をしたくなる。
レイアウトを変えたくなる。
こんな経験ないですか?
 
こうした行動は、
失敗した時のための ”言い訳作り” という心理特性が働いているのです。
 
「あの時、デスクの整理をしなければ、大事な仕事ができた」
「レイアウトの変更したから、締め切りに間に合わなかった」
 
このような、
”言い訳作り” をする心理行動のことを
 
 
「オレは、追い詰められないと集中力を発揮できないんだよ」なども典型的な「セルフ・ハンディキャッピング」です。
 
 
なぜ、
無意識の心理行動として
してしまうのか?
 
それは、
「自尊心(プライド)を守る」ための
”自己防衛本能” が関係しています。
 
ようは、
「自分に自信がない人」
「失敗を認めたくない人」
が ”セルフ・ハンディキャッピング” をしてしまうのです。
 
そして、
恐ろしいのが、
エスカレートしていくと
最終的には、
「そのまま取り組まない」という
行動に行きついてしまいます。
 
 
なぜなら、
取り組まなければ
「失敗」はないと思い込んでしまうからです。
 
「NO TRY、NO SUCCES、NO ERROR」
「やらなければ、成功もないが、失敗もない」です。
 
 
〇 「先延ばしする自分」が許せない人ほど結果が残せない
 
 最新の研究において、
「先延ばし」と「セルフ・コンパッション(自己への思いやり)」が注目されています。
しかも、
「自己肯定感(セルフ・エスティーム)」より
「セルフ・コンパッション」がより成功しやすいとのこと。
詳しくは割愛します。詳細は→ https://hbr.org/2012/09/to-succeed-forget-self-esteem.html
 
 
話しを戻しますと、
この「セルフ・コンパッション」は、
心理学者クリスティーン・ネフが提唱しています。
詳しく説明していくと、
 
① 自分へのやさしさ
→自分自身に対してやさしく接する態度
② 人との共通体験
→悩みや失敗は誰もが体験するという発想
③ マインドフルネス
→ネガティブ感情や困難をあるがままに受け入れる態度
 
この3つの要素で構成されています。
 
 
簡単に言うと、
失敗してしまったり、
落ち込んだ時に、
「大丈夫(思いやり=励まし)、
誰だって同じだよ。(誰もが体験=共感)
こういうことだってあるさ(現実を受容=あるがまま)」
 
このように、
自分で自分を
励ましてあげましょう
ということなんです。
 
「私はダメな人間だ」
「なんて最低なことをしたんだろう」
 
なんて
自分を責めるような
自己批判” をすると
結果、
また ”同じ失敗” をする。
また「先延ばし」をしてしまうことになります。
 
そして、
これは「反芻思考」と呼ばれるうつ病などの
神経症の元凶にもなり得ます。
 
 
 
『責めるのではなく励ますこと。』
 
 
仕事だけでなく、
自分の人生や
子どもの教育など
他者との関係性においても
「セルフ・コンパッション」を
積極的に促進していくことが、
大事ですね!!
 
 
 
〇 妥協も必要。完璧主義ではなく「完了主義」で!
 
「なんでも完璧に!」なんて人いますよね!
実は、
こんな「完璧主義者」の方が
「先延ばし」しやすいことがわかっています。
 
ここまでの解説でお分かりのように
「完璧主義者」は
最初から完璧を求めるがために、
・失敗を恐れ
・過剰な達成基準を掲げ
・自分を許せない
こんな状況に陥ってしまいます。
 
よって
80%くらいでいいよね!
 
といった
「”完了” 主義」に徹することが
結果的に
「”完璧” 主義」よりも
素晴らしい成功を成し得ます!
 
 
 
 
本日は
長い解説でしたが、
とても重要なテーマでした。
 
次回は、
メンタル・ブレーキ3を解説致します。