リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

The 18th-2  「いい脂肪」はやせて健康になる!! ~やって欲しい食事術~

「いい脂肪」がカラダを健康にする! 
というお題で4回に分けて解説してまいります。
 
 
~Part1~
〇 膨大な研究が示す「いい脂肪」
〇「コレステロール」は血液をドロドロにしない
コレステロールが「細胞膜」の材料になる
 
~Part2~(←本日はココ)
〇 体にいいアボカドの脂質は「マーガリン並み!」
〇「いい脂肪」も「悪い脂肪」もラベル上(表示上)は「脂肪」
〇「炎症油」を「抗炎症油」の30倍摂っている
〇「植物由来だから健康である」は、”大ウソ”である
 
~Part3~
〇「いい脂肪」---心臓に負担をかけない
〇「悪い脂肪」---「動物のえさ」を混ぜて消費期限を長くしている
〇 悪い脂肪を2%多く摂ると、「心疾患リスク」が23%上がる
 
~Part4~
〇 ”脳卒中を予防する”のは、「動物性脂肪」
低脂肪乳より「全乳」のほうがやせる
〇 ”ハーバード栄養学の権威”が導き出した「結論」
 
 
本日は、Part2の部分をテーマに解説していきます。
 
 
 
〇 体にいいアボカドの脂質は「マーガリン並み!」
 少し話しがそれますが、
前回解説したキーズ博士の説いた栄養学の定説が
一つ目の大きな間違いでした。
もうひとつ、人類にとって大きな誤りがありました。
それは、
『栄養主義』というものなんです。
なにかというと、
現在我々が一般的に用いている栄養主義は
1:脂質
2:炭水化物
です。
食べ物を、個々の食材(ホウレン草や牛肉など)の観点でみるのではなく、
たんぱく質が〇〇グラムで脂質が〇〇グラム
といったように考えていくものです。
 
このように単純化され過ぎた分析では、
微量栄養素や人間の代謝の部分に関わる
重要な要素が抜け落ちています。
栄養主義は、
”食品化学や人間生物学の複雑さを無視するもの”
です。
 
たとえば、
最近日本でも大注目の”アボカド”
栄養主義で語ると
脂質 88%
炭水化物 16%
(食物繊維4.9g)
となります。
 
「栄養主義」上では、
マーガリンとおなじくらいの脂質が入っています。
(もちろん悪い脂質ですが)
なので10年前までは、
圧倒的に脂質が多すぎるため、
見向きもされませんでした。
むしろ、悪いとすら言われていました。
 
これからの栄養学は、
わかりやすい単純化された
「栄養主義」から脱却しないことには
未来がありません。
 
 
〇「いい脂肪」も「悪い脂肪」もラベル上(表示上)は「脂肪」
 偏に「脂肪(脂質)」と言えど、
それは、多彩で何十以上もあります。
そして、脂質(正確に言えば脂肪酸)は、
それぞれの種類で全くと言っていいほど、
働き方が違います。
”オメガ3”とか”オメガ6”など聞いたことがありますようね。
あれも脂肪酸の分子構造で分類分けしているだけで、
たとえば、おなじオメガ6のγリノレン酸は”抗”炎症作用で
アラキドン酸は”起”炎症作用で作用が逆です。
アラキドン酸ばかり偏ってしまうと、
炎症しやすい状況に陥ってしまいます。
 
このように、
実際のところ「脂肪」という表示にはあまり意味がありません。
 
 
〇「炎症油」を「”抗”炎症油」の30倍摂っている
 私見として前述してしまいましたが、
オメガ6には、炎症作用のある
脂肪酸(アラキドン酸)が含まれています。
 
近代は植物油であるということから、
不飽和脂肪酸であるオメガ6の摂取は推奨されてきました。
しかし、偏って過剰に摂取すると炎症を起こしてしまいます。
そして、偏りは人間が加工することや政府の推奨によって生まれます。
そうです。
精製された炭水化物や植物油を推奨されてきたことで、
心疾患・脳卒中・アレルギーなどの慢性炎症が広まってしまったのです。
 
以前にも取り挙げましたが、
”野菜を全く食べず”
アザラシなど「動物性脂肪」ばかり食べる「民族イヌイット」。
彼らは、脂肪ばかり食べているのに、
圧倒的に心疾患は少ないのです。
 
現代の西洋人は
植物油の摂取量が増えました。
ということオメガ6系の脂肪酸が多いことになります。
アザラシなどの動物は、
魚類や魚を食べるのでDHAなどのオメガ3系が多く含まれています。
 
そして、
魚を含めた肉を減らし
植物油を増やしてきた西洋人の
オメガ3とオメガ6の摂取比率を調べると、
なんと、
オメガ6の方が30倍もとっていた。
 
つまり、植物性の油を30倍摂ってことになります。
 
高度な炎症作用を持つオメガ6系の脂肪を
”心臓に良い”
”血液をサラサラにする”などと
世界各国の政府は、
間違って喧伝し
結果として、
心疾患だけでなく、
認知症者も増やしてきました。
 
もはや生活習慣病なんかではなく、
政府や企業が生み出した
「社会病」なのでは?
とすら思えてしまいます。
 
 
〇「植物由来だから健康である」は、”大ウソ”である
 前テーマを繰り返すことになりますが、
植物性だから良いという短絡思考は間違いのもとです。
アメリカでは、動物性のバターの代わりに
「植物由来だから健康にいい」の触れ込みで
”マーガリン”が爆発的にヒットしました。
しかし、事実は、
「食べるプラスチック」と言われるほど、
人工的な毒である『トランス脂肪酸』で出来ています。
みなさんご存じですよね?
 
今になっては人工物の塊である加工食品は、
悪者とされるようになってきましたが、
そのなかでも、マーガリンの悪者っぷりは一級品です。
植物から無理に油を搾りだすには、
圧縮、
溶媒抽出、
精製、
精錬、
漂白、
脱臭など
いくつもの強力な
加工工程が必要になります。
どう考えても
健康にいいわけありません。
 
しかし、ほんの数十年前までは、
自然のものより
人間の手で生み出されたものの方が
安全だと考えられていました。
 
それが加工食品が普及した原因なのでしょう。
 
天然=安全という単純化はできませんが、
加工品より遥かに安全性が高いことは間違いありません。
 
 
本日は、「脂肪の質」について解説してきました。
 
次回は、
”脂質が疾患に及ぼす影響”について解説していきます。