リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

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ハピネス・カーブ~人生は50代で必ず好転する~

本日は、
2019年6月 発行
ジョナサン・ラウシュ著
ハピネス・カーブ~人生は50代で必ず好転する~
をご紹介致します。
 
【概 要】
 
#1 「年齢」は「幸福度」に影響を与える。複数の調査によれば、中年は若者や老人よりも幸福度が低い。グラフ化すると、50歳前後が最も低い、「ハピネス・カーブ(幸福曲線)」と呼ばれるU字曲線になる。
 
#2 ハピネス・カーブは、「将来に対する期待」と関係がある。
若い頃は将来への期待が大きい。その分、現実との差が大きく、失望感を味わう。
だが、時が経ち、何度も失望感を味わうにつれ、過大な期待は消えていく。
50代以降になると、期待と現実との差が少なくなり、後悔や失望がなくなる。
 
#3 「加齢とともに精神や肉体も衰える」という考えは正しくない。
例えば、研究によって、次のようなことが分かっている。
・ストレスは、50歳を超えたころから少なくなる。
・人生経験の積み重ねにより、感情が落ち着いていく。
・歳を重ねると、悪い出来事への対処の仕方が上手になり、”うつ病” に罹患しにくくなる。
 
#4 中年期のスランプから、自力で抜け出すための方法には、次のようなものがある。
・「中年期に不安感を抱くのは特別なことではない」と理解すること。
・自分より成功している人と、自分とを比べない。
・瞑想して、マインドフルな状態をつくる。
・辛い気持ちを一人で抱え込まず、他人に話したり、セラピーを利用する。
・中年期のスランプは深い傷を残すものではなく、いつかは終わる。そんな気概で日々を過ごす。 
 
 
【私 見】
本書は、イギリスの30万から40万人規模の生活満足度調査をもとに幸福度を算出している。
データ数としては、満足する良書である。
膨大な件数の調査をもとに、現代の第三世代の認知行動療法などで推奨されている方法論を用いて50代以降の対処法に触れている点で非常に価値ある一冊と感じている。
30代半ばである私が今現在を振り返っても経験的かつ知識的に納得させられるおススメの書籍です。