リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

カスタマーサクセスとは何か ~日本企業にこそ必要な顧客との付き合い方~

本日は、
2019年7月 発行
弘子 ラサヴィ著
カスタマーサクセスとは何か ~日本企業にこそ必要な顧客との付き合い方~
をご紹介致します。
 
【概 要】
 近年、アメリカで生まれ、世界中に広がりつつある「カスタマーサクセス」。
顧客との関係性を何よりも重要視する。
この考え方の本質や、成功を導くための原則を紹介する。
 
●デジタル時代の今日、アマゾン、ウーバー、アップルは、強い競争力を持つ。それは、ビジネスモデルが「リテンションモデル」(カスタマーを虜にするモデル)であるからだ。
 
●リテンションモデルの定義は、次の通りだ。
①利用者が、日常的にプロダクトを利用し、成果に対価を払う。
②利用者が、いつでも利用を止められ、初期費用が少ない。
③プロダクトが常に最新状態に更新・最適化され続ける。
④利用者が、個人データをプロバイダーが取得することを許す。
 
●リテンションモデルで成功するために不可欠なのが、「カスタマーサクセス」だ。
その本質は、「商いは買っていただいた後が大切」の精神で「カスタマーに成功を届ける」こと。
それにより、顧客にとって企業は「なくてはならない存在」になる。
 
●リテンションモデルの成功要因は、次の5つだ。
①カスタマーを虜(ファン)にし、”口コミ” や ”紹介” を促す。
②買ってもらってからが勝負と心得る。
③カスタマーが購入後、手放せない ”プロダクト” であり続ける。
④データを基に、カスタマーの1人1人を知り尽くす。
⑤事業を急成長させる「スケーラビリティ構築力」を持つ。
 
●リテンションモデルの成功に櫃よなカスタマーサクセスの5原則。
①成功を届けられるカスタマーとの末永い関係に責任を持て。
②素早く・負荷なく・漏れなく ”成功” を届けよ。
③プロダクトチームとサクセスチームがベタベタに連携せよ。
④データの統合・分析に投資し、組織全体でデータを活用せよ。
⑤カスタマーの手と知恵を活かせ。
 
 
【私 見】
 私たちのリハビリビジネスとは、一見すると程遠いビジネスモデルと感じる方が多いかと思います。
実は、「リテンションモデル」や「カスタマーサクセス」の概念は、
我々のビジネスとの親和性が非常に高いと思っています。
また、そう考えて私自身、我が社の次世代に繋がるビジネス構想に向けて準備してきました。
 
しかし、本書の中で唯一、葛藤を感じる部分が「”手放せない” プロダクトであり続ける」という箇所です。
我々のビジネスは社会保険に基づいたものであることから、”自社利益のため” に継続利用を促すプロダクトの開発や提供し続けることは、企業理念やモラルに反すると思っています。
 
しかし、自社の利益とクライアントの利益を明確に按分することが出来ない今、”手放すことを重視する” ことの弊害は絶大だと考えます。
 
そのため、本書のビジネス概念でも登場していますが、「必要なデータ」を収集・統合・分析・活用していくことが大切だと思っています。
これらの積み重ねが、「手放せる」指標(=自律的自助が身についた状態かな。。。)になると思っています。
 
我々の「カスタマーサクセス」とは、健康的な心身に繋がる生活習慣を身に着けさせ、自律的自助が継続できる状態を指すのかなと思っています。
 
是非、クライアントと直接的な一時的な関わりの中だけに着目するのでなく、
クライアントのデマンドやニーズを把握し、
それに合った素晴らしいプロダクトの開発と提供が出来るように試行錯誤していきましょう。