リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

The 19th-1  教えて!お腹いっぱいに食べて太らない方法 ~「減量の正解」~

本日より、
「お腹が膨れても体重が増えない食事術」について
6回にわたって解説していきます。
 
 
~Part1~ 《←本日はココ》
〇 はじめに 
〇「ユニークな減量」をすると後で必ず太る
〇 従来のダイエット法は「6か月後」 元に戻る
〇 「複数のプラン」を同時に回すーー医学的に確実なやり方
〇  現時点で疫学上「最も信頼できる」”5ステップ” 『完璧な減量』
 
~Part2~
〇 ステップ 1 「添加糖の摂取」を減らす
 
~Part3~
〇 ステップ 2 「精製された穀物の摂取」を減らす
 
~Part4~
〇 ステップ 3 「たんぱく質の摂取」を減らす
 
~Part5~
〇 ステップ 4 「いい脂肪」をもっと食べる
 
~Part6~
〇 ステップ 5 「食物繊維」をもっと食べる
 
 
それでは、解説に入っていきます。
 
〇 はじめに ~過去のダイエット法と決別しよう!!~
 さぁ、これまでになが~く解説してきましたが、
いよいよ、「解決策」の出番ですね!
 
どうすれば、
「太らないカラダ」が手に入るのか?
 
これまでの研究で
ハッキリとわかったことが2つあります。
 
それは、
「どんなダイエット法も”効率的”である」ということ。
 
???
 
 
そして、
「過去のダイエット法は”効果的”でない」ということ。
 
??????
 
 
ん?
訳が分からないよ!!
 
いったい何を言いたいの?
ってなりますよね!?
 
 
 
どんなダイエットをしようと、
体重の変化を表すグラフは、
”地中海食”でも
”アトキンス”だろうが
旧式の”低脂質・低カロリー”でさえ
短期間であれば体重が落ちます。
 
あくまでも、”体重だけ” が・・・
 
 
しかし、
一旦、瘦せたからといって、
安心してはなりません。
 
半年から1年くらい経つと、
食事制限を続けているにもかかわらず、
体重は減らなくなり、
その後、
無情にも増え始める。
 
なぜなのか?
 
 
実は、
半永久的に体重を減らすには、
『”2段階のプロセス”が必要』だからなのです。
 
 
 
肥満には、
「短期的な問題」と
「長期的な問題(時間依存的な問題)」があります。
 
「短期的な問題」に関しては、
既存のダイエット法で体重が減ります。
しかし、大事なのは
「長期的な問題」の方なんです。
これは、脳の視床下部が体重の設定を決めているということが関わっています。
要するに、太り方における”自動調節器”のようなものです。
 
「長期的な問題」を解決するには、
”体重の自動調節器”の設定を下げる必要があります。
 
 
 
〇「ユニークな減量」をすると後で必ず太る
 
 これまでのおさらいになりますが、
肥満は ”多因子的な疾患である” ということを理解しないと、
根本的な解決には至りません。
 
「カロリー」が、肥満を招く? 部分的にそうです。
「炭水化物」が、肥満を招く? 部分的にそうです。
「食物繊維」が、肥満を防ぐ? 部分的にそうです。
インスリン抵抗性」が、肥満を招く? 部分的にそうです。
「糖分」が、肥満を招く? 部分的にそうです。
 
なんども、繰り返し解説してきたとおり、
肥満は、様々な状況が生み出した結果です。
 
そして、
様々な因子のなかで最も重要になってくるのが、
インスリン」なのです。
 
”低炭水化物ダイエット”は、「インスリン」の分泌量を減らす。
”低カロリーダイエット”は、すべての食品に対して制限を設けるために、結果的に「インスリン」の分泌量を減らす。
”LCHFダイエット”や”キャベツスープダイエット”も同じく、「インスリン」の分泌量を減らす。
 
ダイエットのポイントは、
いかに効率的に「インスリン」を減らし続けるかが、重要となります。
 
これまで、
語られてきた過去の肥満理論では、
肥満に対する唯一無二の原因を追究しようとしていました。
 
だからこんな議論が繰り返されてきました。
 
「カロリーを摂り過ぎると肥満になる」
「いや、炭水化物を摂り過ぎるから肥満になるのだ」
「いやいや、原因は飽和脂肪酸の摂り過ぎだ」
「そうじゃない赤肉の食べ過ぎだろう」
「いや、小麦の摂り過ぎが原因だ」
「やっぱり、糖分が原因だよ」
「違うね、嗜好性の強い食べ物がいけないんだ」
「いや、外食だよ」
・・・・・
 
こうして、
100年以上にわたって答えがでないまま議論は繰り返されてきました。
 
唯一無二の答えを出そうとしても、見つかるはずはありません。
どの主張も部分的に正しいのですから。
 
それぞれのダイエットは、
肥満の様々な要因の一つの対応策に過ぎません。
 
大事なのは、
「肥満になる要因を ”全体的” に対処することなのです。」
そうしないと、
過去のダイエット法のように、
効果は一時的で長続きしないのです。
 
 
〇 従来のダイエット法は「6か月後」 元に戻る
 
 これまで述べた従来のダイエット法が、
短期間しか効果がないというのは、
ハーバード大学のフランク・サックス教授が
RCT(ランダム化比較試験)で確認をしています。
 
研究では、最も体重が減るのは「6か月経った頃」で、
そこからまた次第に体重が増えていくというのが確認されました。
2014年のダイエット法のメタアナリシスにおいても、
ほぼ同じ結果が出ているようです。
 
なんと、
「ダイエット法の違いによる体重減少の差は、微々たるものである。」
とされています。
(もちろん、研究対象となったダイエット法は医師たちに有効とされていたものであり、
巷の即効簡単〇〇ダイエットは論外です。)
 
 
〇 「複数のプラン」を同時に回すーー医学的に確実なやり方
 
 ほとんどのダイエットは、
問題の一面にしか対応できていない。
 
たとえば、
癌の治療をする場合なら、
様々な化学療法や放射線治療を合わせて行います。
幅広い治療を行うことで成功率はぐっとあがります。
心血管疾患の場合なら、
複数の薬剤治療が効果的です。
高血圧、
糖尿病、
これらにおいても、
薬だけでなく運動や食事指導など
多面的にアプローチします。
 
だから、
”肥満” も同様です。
階層的に積みあがってきた肥満の
”ある一点” だけに的を絞るのではなく、
「複数の要因に対する複数のアプローチ」を
同時にしなければなりません。
 
 
〇  現時点で疫学上「最も信頼できる」”5ステップ” 『完璧な減量』
 
 大前提として、
「肥満は、肥満の調節を担うホルモンの異常が原因」です。
 
そして、
肥満の元となる主な原因のホルモンは「インスリン」なので、
合理的な治療法は、
インスリン値を下げること」になります。
 
その手順はこうです。
 
 
〇 ステップ 1 「添加糖の摂取」を減らす
 
〇 ステップ 2 「精製された穀物の摂取」を減らす
 
〇 ステップ 3 「たんぱく質の摂取」を減らす
 
〇 ステップ 4 「いい脂肪」をもっと食べる
 
〇 ステップ 5 「食物繊維」をもっと食べる
 
いきなり全部ではなく
段階を追ってやっていくことが大切です。
 
 
この5ステップはとても大事な具体策なので、
次回から一つずつご説明いたします。