リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

The 17th‐3 「たんぱく質」への過剰期待 ~肉は敵か!味方か!?~  

本日は、
たんぱく質」への過剰期待~肉は敵か!味方か!?~
と題し3回に分けて解説しております。
 
~Part1~
〇 炭水化物、たんぱく質、脂質・・・「不要」なのはどれ?
〇 「皮をはがした鶏むね肉」は糖質並みによくない
〇 「たんぱく質を飲み込む」と胃がインスリンを増やす
 
~Part2~
〇 食べ物を「見た」だけで体が太ろうとする
〇 「牛乳」が出すインスリンは”パン以上”
〇 「GLP-1」が腹持ちを調整する
〇 「赤身肉」を食べると体重が毎日450グラム増える
 
~Part3~ (←本日はココ)
〇 「低脂肪牛乳」は体重に影響しない
〇 「満腹感」を高める食べ方
〇 「乳製品」はいくらでも摂っていい
〇 「プロテイン・バー」はヘルシーでも何でもない
 
以上のテーマで話しを進めてまいります。
 
〇 「低脂肪牛乳」は体重に影響しない
(体重減少に寄与しない)
「乳製品」を摂ることにより、
インスリン値」が増えると説明しました。
しかし、
「GLP-1」の働きにより、
体重増加の抑止に繋がることがわかりました。
これは、10年にも及ぶコホート研究(特にCARDIA研究)で
証明されています。
 
そして、「乳製品」は確かにたんぱく質も含まれていますが、
併せて脂質も多く含まれているのも効果的な要点です。
たんぱく質ばかりに偏るのではなく、
バランスよく脂肪分が含まれていることが重要なのです。
 
ということは、
低脂肪乳」は、
重要な「脂肪分」を除外しているため、
体重減少効果がありません。
これは、研究によっても証明されています。
 
よって、
「全乳」はダイエットの大きな味方と言えます。
とくに「ヨーグルト」は強い味方であると判明しています。
 
ちなみに、「リーキーガット症候群」などの
カゼインなどによる弊害がある方は、
上記の効果どころか、
体重が増加するということにもなりかねないので、
注意が必要です。
 
 
〇 「満腹感」を高める食べ方
本来、人間は(痩せるなどの)目的を持って食べたり、
食べなかったりする生き物ではなかった。
食べたいという本能に従い、食べて
お腹いっぱいという本能に従い、食べなかった。
 
しかし、
”間違った研究”や
”間違った政策”
”大企業の利益”のために、
これらの本能のバランスが破壊され、
人間の食べるという本能ばかり刺激される食材が
この世にあふれ返ってしまいました。
 
これが、現代における食事が原因による
「不健康」の原因です。
 
では、どうすれば良いか?
 
みなさんも「ダイエット」に失敗した経験があると思います。
それは、理性で食欲を抑えることは難しいからです。
大切なのは、
食べたくないという”本能”を上手く使うことなんです。
 
要は、「満腹感」を大切にするということですね!
 
これは、”本能のままに生きろ”というわけではありません。
後ほど詳しく説明しますが、
正しく”本能”が機能する食事を摂り、
そして、正しく”機能した本能”に従うことが大切だというです。
 
単純に説明することはできません。
逆にいえば、単純に説明されてきた「ダイエット法」が
失敗に終わってしまうことからも証明できます。
 
この複雑性は、
「肥満の促進因子」
「肥満の予防因子」
を理解していくことが重要です。
 
「肥満の促進因子」は、以下のように構成されています。
”高インスリン値”~以下が影響因子~
 ・動物性たんぱく質
 ・太るもとである炭水化物
 ・コルチゾール(ストレスホルモン)
 *インクレチン(ただし予防の方が強い)
 
インスリン抵抗性”~以下が影響因子~
 ・フルクトース
 
「肥満の予防因子」は、以下のように構成されています。
”インクレチンの影響(GLP-1の働きが大きい)”
”酢”
”食物繊維”
 
ほかにも学ぶべきことがあります。
・「血糖」は、「インスリン反応」の23%を占める
・「脂質」と「たんぱく質」は、「インスリン反応」の10%を占める
・「遺伝」が、残りの70%を占める
ということです。
 
だから
「炭水化物は太る!」
「カロリーを摂り過ぎると太る!」
「赤肉を食べると太る!」
「糖分を摂ると太る!」
といった”単純な議論ではない”ということです。
 
 
〇 「乳製品」はいくらでも摂っていい
もうしつこいくらい何度も説明してきましたが、
「カロリー」は、肥満の直接原因ではありませんでした。
だから、「低脂質」や「低カロリー」の食事法は
ことごとく失敗に終わりました。
なぜなら、肥満の鍵は「インスリン」だからです。
 
ここ最近になり、注目されている食事法があります。
「パレオダイエット」
「LCHFダイエット」(Low Carbo Healty Food ダイエット)
です。
 
「パレオダイエット」の特徴は、
旧石器時代の食生活を参考にした食事法です。
簡単に言うと、「加工食品」を食べないということです。
基本的に、炭水化物であってもあまり制限がなく
未加工のものであれば良いという考えです。
 
次に「LCHFダイエット」ですが、
主に食材を未加工で食べるといったところは、
「パレオダイエット」と同じなんですが、
炭水化物を含んでいる「果物」には、
厳しく制限しているという点が
大きな違いとなっています。
 
これらの食事法は、
多少の違いがあれど、
人間が何千年・何万年と食べ継がれてきた
「本物の食べ物(未加工)」を重要視するという点で
非常に優れています。
そして、現に「Ⅱ型糖尿病」などの治療効果として上げています。
 
こういった食事の良いところは、
人間の食事に対する
正しい”本能”を取り戻すことです。
以前も説明したように
人間は規則正しく3食摂るようには設計されていません。
(かと言って、乱れて良いというわけではありません)
 
正しく”本能”が機能しだすと
カラダが栄養素を必要としている時に、
「食欲」が生まれ
必要としていない時に、
「満腹感」が生み出されるのです。
 
私は、こと食事においては、
我慢するという「理性を強める」より、
正しい本能を呼び起こすための
生活習慣(正しい食材選びや運動、健全な精神)を
身に着けることに重きを置くことが、
最も大切なことだと考えています。
 
*くれぐれも理解してもらわなければならないこととして、
ここまで説明してきた「痩せるの概念」は、
決して、「モデルような痩せている状態」ではなく、
健康的な肥満じゃない状態を指します。
日本人の痩せの基準が厳しすぎるので・・・要注意です。
 
 
〇 「プロテイン・バー」はヘルシーでも何でもない
本質的には、「悪い食べ物」というのは存在しません。
(人間が(正しい本能のもと)食べたいという思う食材の中で)
 
悪いのは、「加工された食べ物」なのです。
なので、テーマの「プロテイン・バー」は以ての外です。
 
しかしながら、
「本来の食べ物」の中にも
人間のカラダに不必要なものがあります。
そこで、「ファスティング(断食)」という
デトックス戦略(ダイエット戦略)を編み出しました。
ファスティングについては、後の章で詳しく説明しますが、
ここまでの解説を参考に
「未加工品」を食べることに注力することをお勧めします。
 
 
 
今回は3回に渡り「たんぱく質」と「加工食品」の恐ろしさについて
解説致します。
次回からは、”ダイエットの大敵”と誤解されている
「脂肪」について解説してまいります!!