リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

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The 7th ぜい肉の首謀者!「インスリン」が肥満ホルモン ~世界最新の肥満理論~

本日は、ぜい肉の首謀者!「インスリン」について深く解説してまいります。
 
〇突然ですが、何があっても太らせる方法があります!
それは、『インスリンを投与』することです!!
 
どれほど意志が強くたくさん運動しようと
これに抗うことはできません。(一切食事しないは別です。)
日本人である皆さんは想像つくと思いますが、
大きなカラダで激しい運動して、常人の何倍も筋肉を搭載している力士!
体脂肪は平均すると32%以上です。(見た目よりも、少ないですね)
 
もし、どれだけ食べても運動をしたら必ず痩せるのであれば、
なぜ、力士は太ることは出来るのでしょうか?
(彼らは太る工夫がなされた食事をしているのも事実としてあります。)
 
このことからも、運動すれば必ず痩せるわけではないということだけはわかります。
 
 
〇「体内インスリン量」が多いほど太る。
英国にてⅡ型糖尿病患者へのインスリン投与による
厳密な血糖値コントロールを行ったグループの調査で
体重が4.5kg以上の上昇が確認されました。
世界各国の研究においても体重の増加が確認されている。
 
 
〇「血糖値を下げれば太らない」は間違い!
上記の実験でもわかるように、
インスリン」の投与で血糖値をコントロールされているにもかかわらず、
平均で4.5以上の増加が確認されている。
これは、「血糖値を下げること」と「体重を減らすこと」は同じでないことが分かる。
 
これを裏付ける疾患をご紹介します。
『インスリノーマ』という病気があります。
これは、非常に特殊な病気で100万人に数人という奇病です。
これは、『インスリン分泌腫瘍』を発症することによる
インスリン」の大量分泌が主症状の疾患です。
 
簡単に言うと「Ⅰ型糖尿病」と真逆の病気ですね!
 
この「インスリノーマ患者」は、大量のインスリン分泌により低血糖を起こします。
それは、インスリンによって血中の糖が細胞に取り込まれるためです。
では、体重はどうなるのか?
一連の研究にて、72%の患者において体重増加が認められた。
そして、この腫瘍(インスリノーマ)を摘出することで、体重が減少した。
 
このことから、「低血糖」=「太らない」は間違いということがわかり、
そして、「インスリン過多」=「太る」とご理解頂けるのではないでしょうか?
 
 
インスリンが真因と言い切れる「5種の横断調査」
1)「3つの薬」で比較する。
 以下の3グループで血糖降下薬としての体重増加率の比較を行った。
 第一グループ「インスリン投与」
 第二グループ「スルホニル尿素薬」(インスリン分泌を促す薬剤)
 第三グループ「メトホルミン」(インスリンを増やさず血糖値を下げる薬剤)
 
 結果:「インスリン」4.5kg増加
    「スルホニル尿素薬」2.5kg増加
    「メトホルミン」増加なし。
 このことから、インスリンが体重増加に多大に影響していることがわかる。
 
2)体内の「インスリンへの感度」をよくしてみる。
 「チアゾリジン系」の薬剤投与による実験(インスリン感受性を高める薬剤)
 
 結果:やはり体重増加が確認された。
 
3)薬で「空腹」を感じにくくさせる。
インクレチン・ホルモンという空腹を感じさせない薬剤がある。
これは、短期的にインスリンの分泌を促す。
空腹を抑える薬にも関わらず、体重増加が確認された。
しかし、これは短期間であった。
長期服用者は、体重増加が止まった。
これは、食生活が改善し、インスリンの投与を減らしたことによるものと思われる。
 
結果:インスリン値高い状態での体重増加を確認
 
4)薬で「炭水化物」を消化しにくくする。
「αグルコシダーゼ阻害剤」系の薬剤(小腸において炭水化物の消化を阻害する)は、
結果的に体が吸収するグルコースが減り血糖値が下がる。
そして、インスリンが少し減少することも確認された。
 
結果:インスリンが少し減ることに対し、体重も少し減量。
 
5)「血糖値」を半減させる。
Ⅱ型糖尿病患者向けの治療薬として、最新かつ最も注目されているのが、
「SGLT-2阻害剤」である。
簡単に言うと、糖を尿として排出させる薬効をもっている。
結果として、インスリン産生が減る。
私も以前から注目しており、安定かつ長期的な治療成果と副次効果として
純粋な体脂肪減少による体重減少が確認された。
(個人的にダイエットとして、本薬を使用したいくらい 笑)
 
 
インスリンが「(体重の)設定値のつまみ」を回す。
ここまでの長い解説でインスリンが体重に及ぼす影響は、
一貫していることがご理解頂けたかと思います!
インスリン値を上げる薬剤を使うと、体重が増える。
インスリン値に影響を与えない薬剤を使用した時は、体重は変化しない。
インスリン値を下げる薬剤を使うと、体重が減る。
 
今まで我々が考えていた肥満理論は、血糖値の上下が体重を増減させるというものである。
しかし、血糖値ではなく「インスリン」が真犯人であることがわかった。
かつ、ごく最近の研究ではインスリン値をみれば、
75%の確率で体重減少を予測できるという研究もあるくらいである。
なんども繰り返すが、
 
『問題は、インスリン値』
 
ということです!!
 
さらに!
この「インスリン」は、レプチン(満腹を感じさせるホルモン)を抑制する作用も判明。
まさに、肥満の根本原因であることは十分にお判り頂けたかと思います。
 
次回は、「ストレス太り」は実在するのか?というテーマで解説致します。