リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

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The 14th  嵌らないで!「甘い罠」 ~やってはいけない太る食事術~

本日より、「やってはいけない太る食事術」編として、
「甘い罠」と題して進めてまいります。
 
〇砂糖「飲む」のは最もNG
〇糖尿病リスクを”80%以上”上げる「甘いジュース」
〇「白いパン」はピーナッツの10倍以上も血糖値を上げる
〇「果物由来の糖」でパンが不自然に柔らかくなる
〇「血糖値を上げない天然果糖」が寿命を縮める
〇一週間で「肝臓」が太り出す。
〇2か月足らずで「糖尿病予備軍」に
ブドウ糖より果糖が多いと「倍速」で太る
〇砂糖を減らすとアメリカが「州レベル」で変わった
 
本日は、以上のテーマで解説してまいります。
 
 
「砂糖は太る」
この栄養学上の事実には、誰もが同意されると思います。
1970年代には、糖分の摂り過ぎは危険だという発表がなされました。
しかし、カロリー神話から脂質の方に研究者たちの意識が向かってしまいました。
2000年代からカロリーゼロなどの商品が目立ち始めたのも、
これらの研究が後押ししたのでしょう。
そして、砂糖から脂質へ悪者が移り変わってしまったため、
肥満が増え、そして糖尿病患者が爆発的に増えてしまいました。
 
〇砂糖「飲む」のは最もNG
「加糖飲料」いわゆるソフトドリンクや炭酸飲料などと呼ばれているものである。
アメリカでは7兆円を超える市場を誇っていた。近年までは。。。。
栄華を誇っていたコカ・コーラ社であるが、
近年では、政治団体からの批判もあり
主力である「加糖飲料」の販売促進を控えている。
これは、大打撃である。
そこで、市場を欧米からアジアへとシフトしだしている。
その中でも特に中国が大きく影響を受けている。
Ⅱ型糖尿病患者で比較すると、
1980年代は人口の1%も満たなかった糖尿病罹患者が、
2007年以降は、11.6%となり、
たった一世代で、1160%も伸びる結果となった!
現在は、2200万人がⅡ型糖尿病で苦しんでいる。
企業が国の健康を脅かす恐ろしい事実である。
 
 
〇糖尿病リスクを”80%以上”上げる「甘いジュース」
「加糖飲料」を
「日常的に飲む人」と、
「一か月に一本程度飲む人」と比べると
なんと「83%」も糖尿病になる
危険性が高まることがわかった。
 
これほど、糖尿病と深く関連する炭水化物は他にはありません。
なぜでしょう?
 
それは「果糖(フルクトース)」が影響しているからです。
 
〇「白いパン」はピーナッツの10倍以上も血糖値を上げる
これまでよく登場している「グルコースブドウ糖)」は、
血中の主要な糖であり、脳や筋肉などのエネルギーとなっている。
それに引き換え「フルクトース(果糖)」は、
同じ糖であるが、
エネルギー源として使えるのは、
「肝臓のみ」であり、脳や筋肉では使えない代物である。
だから、フルクトース単体で摂取しても、
目に見えた血糖値の上昇は起きません。
 
ダイエット界で
GI値グリセミック指数)」が近年使われています。
この中で「フルクトース」はやはり血糖値を上げないので、
GI値は極めて低い部類に入ります。
パンは、73
ピーナッツは7
という結果です。
なので、GI値が高ければインスリンが増えて
太りやすいとも言えるのですが、
「フルクトース」に関しては、
実は違うのです。
それは、後々説明いたします。
 
〇「果物由来の糖」でパンが不自然に柔らかくなる
実は、フルクトースというのは
様々な食べ物に入っている。
パンをはじめ、
ケチャップ・スープ・クッキー
市販の食べものにはほぼ入っていると言って良いです。
 
どんな形で入っているかというと、
「果糖ブドウ糖液糖」という名で含有されています。
フルクトース単体ではなく、
グルコースなどと組み合わせた「複合糖質」となっています。
 
なぜ、使われるのかというと
グルコースより「甘味」がある。
・「冷凍焼け」を防ぐことができる。
・「焼き目」を上手くつけることができる。
・簡単に「混ぜる」ことができる。
・パンが「柔らかく」なる。
・「GI値」が低い(健康に良さそうに見える)
こういった理由です。
 
 
〇「血糖値を上げない天然果糖」が寿命を縮める
前述したように、「フルクトースのGI値はとても低い。」
グルコースより圧倒的に低い。
そんな、フルクトースがなぜ寿命を縮めるのか。
 
2004年、ルイジアナ州立大学のジョージ・ブレイ教授が、
「果糖ブドウ糖液糖の使用料の増加を反映するように肥満が増加している」
という研究を発表した。
 
実際に、
スクロース(ショ糖)」で摂ろうと
「果糖ブドウ糖液糖」で摂ろうと
「フルクトース」の消費量が増えるにつれ、
「肥満」が増えている。
 
しかし、血糖値を上げない「フルクトース」が
なぜ肥満となるのか?
 
 
〇一週間で「肝臓」が太り出す。
前述したように、「フルクトース」は血糖値は上げない。
そして、脳や筋肉のエネルギーとは成り得ない。
と説明しました。
唯一、「肝臓のみ」エネルギー使用できるのです。
 
ピンと来た方がいるのではないでしょうか?
 
そうです。
「肝臓」が必要とする以上の「フルクトース」を摂ってしまうと、
ダイレクトに「脂肪肝」に繋がります。
そして、「脂肪肝」は「インスリン抵抗性」の要因となるのです。
 
〇2か月足らずで「糖尿病予備軍」に
私は「フルクトース」が「インスリン抵抗性」を
直接引き起こす要因というのを初めて知りました。
しかし、最新の知見かというとそうではなく、
1980年には、実験で解明されていました。
実験では、一週間で25%も
インスリン抵抗性」が増したそうです。
しかし、この当時はあまり「インスリン抵抗性」に
注目が集まりませんでした。
2009年に再度2か月間の実験を行った。
カロリーの25%を果糖ブドウ糖液糖とした。
なんと、どの健康だった被験者も
実験後には「糖尿病の前駆症状」を示すようになった。
 
 
ブドウ糖より果糖が多いと「倍速」で太る
もう、お判りのように、
果糖で「脂肪肝」となり、
インスリン抵抗性」と
インスリンの分泌過多」を手に入れ、
さらに、果糖よりも少ないブドウ糖が加わると
インスリンの爆発的分泌」となってしまうのです。
 
〇砂糖を減らすとアメリカが「州レベル」で変わった
ようやく潮目が変わり始めました。
州によっては、砂糖に税を導入するようにようになったり、
砂糖を摂取することを控えるように指導されるようになりました。
おかげで、そういった取り組みをする州ほど
肥満が減ってきています。
疾病予防管理センターによると、
新たに2型糖尿病に罹患する人の割合も減り始めているそうです。
 
 
次回は、
痩せると謳っている「ダイエット飲料」の恐怖について説明します。