【第四章-2】最終回 科学的に正しい筋トレ ~最強の教科書~
【第四章-2】 科学的に正しい筋トレ ~最強の教科書~
本日は、
『それでも筋トレが「続かない」ワケ』
『筋トレを「続ける」技術』
をご紹介致します。
〇 それでも筋トレが「続かない」ワケ
結論:人類の進化論から考えると「続かない」のが当たり前
人間は、そもそも筋トレを必要としていませんでした。
それこそ狩猟採集民時代には、筋トレとは真逆に
無駄なエネルギーを使わないために、
ゴロゴロするという休息の方が大切でした。
そこから、
農業革命
IT革命
と時代が移り変わり、
カラダを動かさなくても良い時代が来ました。
しかし、人間は「運動」するために出来ています。
でも無駄な「運動」をしないように人間はデザインされているので、
そのパラドックスが厄介です!
Point
そもそも「運動」は必要なのに
「運動」しないという選択をするように
人間は矛盾(パラドックス)を抱えています。
ということは、『環境(仕組み)』を工夫しなければ
ならないということ。
〇 意志力をマネジメントせよ!
結論:感情の抑制をコントロールし意志力をマネジメントすること。
筋トレやダイエットはどうしても気合いや根性でなんとかなると思いがちです。
「継続=意志力」という構図は間違っていませんが、
実は、感情を無理に抑え込んだりすることは、
意志力を消耗させることになります。
その結果、継続できないという結末に至ります。
そこで、
上手に意志力を温存し、
筋トレを継続させることに注力することが大切になります。
Point
人によって違う「意志力」を上手に温存し、
筋トレから得られる「報酬(筋肥大や筋力増強)」で
意志力を高めていくことが大事です。
〇 「マシュマロ・テスト」を攻略せよ!
結論:意志力が弱い人は「イフ・ゼン実行プラン」を活用し意志力を補強する。
発達心理学の研究で「マシュマロ・テスト」という意志力を図る実験が行われました。
意志力が強い人ほど、健康的で経済的にも豊かであるという研究結果が報告されました。
じゃあ、意志力が弱い人はどうしようもないのか?
そんな意志力が弱くて誘惑に負けてしまう人に向けた解決策が検証され、確立されました。
それが「イフ・ゼン実行プラン」です。
簡単に言うと、
事前に「もし(if)誘惑に直面したら、その時は(then)こう行動しよう」と決めておくこと。
人間は、予想外の出来事にはなかなか抗えません。
そこに意志力を消耗してしまううちに、誘惑に負けてしまいます。
そこで、初めから余計な意志力を消耗しない戦略として
「イフ・ゼン実行プラン」を準備しておくことが大切です。
Point
明確な実行プランで、意志力を消耗しないようにしましょう。
それは、実行に至るまで過程においてもです。
複雑かつ不明確だとそこに意志力を消耗してしまいます。
「箸を置いたら、運動シューズを履く」
「スポーツウェアを着て退社する」など
初めから運動するために最小限の行動プランを立てておくこと。
そして、どんな誘惑があるかを想定しておきましょう。
その誘惑に直面したらどうこうどうするかを
あらかじめ決めておくことで(イフ・ゼン実行プラン)
無駄な意志力を使わずに、「筋トレ」の継続率が高まります。
〇 脳をハックせよ!
結論:ドーパミンを上手く活用し、運動を好きになろう。
「好きだ」や「楽しい」などの感情がどのように生まれてくるのか?
という疑問について、心理学では2つの理論(説)で読み解いていきます。
「抹消起源説」・・身体が反応して、感情が生まれる。
例:ドキドキしたから、恋をしている。
「中枢起源説」・・感情に反応して、身体が動く。
例:恋をしているから、ドキドキする。
これは、両説ともに成り立っています。
その主要因となるのが、『ドーパミン』です。
ちなみに、この『ドーパミン』は脳の回路の中で
報酬系と呼ばれる回路で活躍します。
どんな活躍をするかというと、
端的に「気持ちよい」という気分にさせてくれます。
この「気持ちよい」を求めて人間は、
「ドーパミン」が出る行動を繰り返そうとします。
(近年、ゴロゴロ寝転んで休む時にも報酬系が
活性化することが解ってきています。
だから、ゴロゴロがやめれないですね 泣)
「筋トレ」を例にして一連の流れを説明します。
1:テレビで憧れの細マッチョの人を見たとします。
2:そこで、自分もあーなれたらいいのになぁと想像します。
3:成功した自分を想像するとドーパミンが出ます。
4:「筋トレ」をしようとする「やる気」が生まれます。
5:「筋トレ」を実行します。
6:運動そのものがドーパミンを生み出します。
7:また、ドーパミンを求めて「やる気」が高まります。
8:「筋トレ」が今まで以上に出来るようになります。
9:するとそれが達成感となり「ドーパミン」が生まれます。
10:今度は見た目が変わり「ドーパミン」がさらに生まれます。
という感じで、
「ドーパミン」が人間の「やる気」の原動力となっています。
パチンコや覚醒剤などの依存症は、
強制的かつ過剰に
「ドーパミン」が働くことにより生じます。
上手く使えば「百人力」なのですが・・・
ちなみに、
この「ドーパミン」は同じ出来事を
繰り返すことにより減少します。
また、結果が予測通りすぎると半減します。
「覚せい剤は、だんだんと使用量が増えていく。」
「パチンコは、勝つか負けるか予測できないからハマる。」
ことからも説明できます。
Point
とにかく「動き(歩き)出そう!」
それだけで、「ドーパミン」が放出されます!
利用者さんに置き換えて説明すると、
「楽しい」から「運動」するだけでなく、
「運動」するから「楽しい」とも言えるんですね!!
ただし、「ドーパミン」は
同じことを繰り返したり
予想通りの事ばかりだと
半減してしまいます。
そうさせないためにも、
我々、リハビリの専門家が
工夫していくことが大切ですね!
長編シリーズ第2弾となった
「科学的に正しい筋トレ」
いかがだったでしょうか?
私としても、とても復習になりましたし、
科学的根拠がたくさん紹介されていて
安心できる内容でした!
自分や家族の健康、
そして、クライアントの健康、
地域の健康のためにも
日々、知識と技術を研鑽し
貢献していきたいと思っています。
読んでくださった皆様も
少しでも同じ気持ちを共感しくれて
一緒に邁進してくれたら幸いです!!