リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

【序章の序章2】 科学的に正しい筋トレ ~最強の教科書~

本日は、「科学的に正しい」とはどういうことか?
をテーマに話しを進めてまいります。
 
「科学的に正しい」とは「科学的根拠(以下、エビデンス)」がある状態のことです。
ただ、エビデンスと言っても、その信頼度にはレベルがあります。
エビデンスレベルが高いものほど信頼度が高く、
エビデンスレベルが低いものほど信頼度が低い。
ということになります。
 
これは、主に研究方法によって決まります。
このような知識は、エビデンスを読み解き、
正しい情報であるかどうかを判断する際に役立ちます。
 
私見として、前回申し上げたとおり、
私はあくまでも確率論だと思っています。
よって、信頼度が高いからといって
絶対的な正解とも思っていませんし、
信頼度が低いからと言って不正解とも思っていません。
確率論を上手く駆使するためには、
当たり前ですが「成功確率の高いと思われる」ものから導入すればよいだけのことです。
 
そして、成功の可否に早期に目途をつけ(期間設計)
上手く行けばそのまま進め、
上手く行かなければ次に成功確率が高いと思われるものを導入する。
単純ですが、その作業が一番大切と思っています。
それともう一つ、この経験則を記録し次世代へのアップデートの役割を果たすことも大切だと思っています。
 
ここからは本シリーズを世に進めていくための
研究に関する手法について説明します。
 
「介入研究」と「観察研究」
エビデンスを示す研究手法は、
大きく分けて「介入研究」と「観察研究」
に大別できます。
 
「介入研究」
被験者を介入する「介入群」と、
介入しない「対照群」に割り付けし
比較する研究手法です。
 
「観察研究」
対象者に積極的な働きかけを行ず、
ありのままに起こることを
観察・記録し、
その結果を分析するものです。
 
よって、「介入研究」の方が
「比較の質」が高いことから、
「介入研究」の方が、
エビデンスレベルが高いとされています。
 
エビデンスレベルが高いということは、
「比較の質」が高いことによる判断になります。
「介入研究」において、最もエビデンスレベルが
高いと言われるのが
「ランダム化比較試験(RCT)」と「二重盲検法
の組み合わせです。
 
どういことかというと、
「ランダム化比較試験」というのは、対象者の選定が無作為(ランダム)に行われます。
さらに、「二重盲検法」で研究者の意図が介入しないようにします。
それは、被験者はもちろんのこと研究者にも研究意図を伝えないことにより、
研究結果を自然なものとするためです。
 
 
 
そして、エビデンスレベルが最強の研究手法が
「メタアナリシス」と「システマティックレビュー」です。
「システマティックレビュー」とは、
簡単に言うと過去のRCT研究などの質の高い研究報告を
一定の基準・一定の方法に基づいてバイアス(恣意・思い込み・偏り)を
排除した最もエビデンスレベルの高い研究論文です。
*これまで紹介した研究で効果が高いものと言っていたのは、
このシステマティックレビューによる研究報告によるものです。
 
「メタアナリシス」とは、
ステマティックレビューとは違い、
必ずしも作成方法が
エビデンスに基づいて無いものが
含まれています。
 
よって、質の高い研究論文は
「システマティックレビュー」ということとなります。
 
ここで、科学的情報の信頼度で整理すると
信頼度(表現上レベルを使います。)
レベル1 総説・専門家の意見や考え
レベル2 観察研究
レベル3 非ランダム化比較試験(NRCT)
レベル4 ランダム化比較試験(RCT)
レベル5 メタアナリシス
レベル6 システマティックレビュー
ということになります。
 
 
次回も、序章の序章ということになりますが、
「正しい科学の使い方」と題して話を進めていきます。