リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

The 3rd  食事量は関係ないという真実 ~カロリー制限という幻想~

本日より3回に渡って
 『カロリー計算をすることが意味のないこと』
だということを解説してきます。
 
 
【「カロリーを削ってもムダ」だと示す膨大なデータ】
 昔から、「肥満になるのは摂取したカロリーをうまく消費しないせいだ」とされてきました。
 つまり、以下の公式が成り立つ
 「摂取カロリー」ー「消費カロリー」=「体脂肪」
 しかしこれが『カロリー幻想』であることを証明していきます。
 
〇「食べた分だけ太る」のどこが勘違いなのか
この太る仮説が間違いであることを5つ紹介しよう!
 
#1 「摂取カロリー」と「消費カロリー」は独立した関係であるという勘違い。
 詳細は、後に紹介しますが、この仮説が間違いであることは多くの実験で実証されています。
 そもそも、「摂取カロリー」と「消費カロリー」は、互いに影響を及ぼし合っている。(従属変数)
 例として「摂取カロリー」を30%減らすと、「消費カロリー」も30%減るといったように、
 「摂取カロリーの減少は消費カロリーの減少を招く」ように人体は設計されています。
 
#2 「基礎代謝率」は一定であるという勘違い
 「摂取カロリー」は、食べたもので計算できるが、「基礎代謝(+その他)」というのは非常に複雑なんです。
なぜか、運動も含めたカロリーを消費することを、「総エネルギー消費量」と言います。
これに関わっているのは、
・食事による熱発生効果
・非運動性熱産生
・運動後過剰酸素消費量
など様々あります。
そして、これは個人差があり50%も前後するのです。
よって、一律に「一般的には」基礎代謝率〇〇%と断言はできないのです。
 
#3 人間は摂取カロリーを『意識的』にコントロールしているという勘違い
 つい人間は「意識的」に食べ物を選び、どれくらいの量を食べることを決め、いつ食べ始めて、いつ食べ終わる。
と自らの意識によってコントロールしている考えられています。
しかし、実際は『ホルモンや脳内の神経伝達物質による複雑な化学反応が決めていることなのです。』
だから、意志というのは彼らの奴隷ということになります。
そして、基本的には「ホメオスタシス」によって健康的に調整されているはずなんですが、
「ホルモンなどの異常」により肥満になってしまいます。
 
#4 「脂肪の蓄積」は基本的に調節できないという勘違い。
 そもそも、体内のシステムはすべてホルモンの働きによって調節されています。(もちろん無意識的に)
 成長ホルモンや男性ホルモンやらホルモンという言葉については皆様も聞いたことがあるかと思います。
 人間の体内では、数え切れないほどのホルモンが複雑に協業しています。
 最新の研究により様々な「体脂肪の増加を調節するホルモン」が確認されています。
 詳しい方は、「レプチン」とか「アディポネクチン」とか聞いたことがあるのではないでしょうか?
 先にも触れたように、『意思はホルモンの奴隷である』です。
 よって、『ホルモンの異常が肥満を生み出す』ということになります。
 では、我々は手の打ちようがないのか? 
 いいえ、「ホルモンの異常」を「意思の力(正しい食習慣)」によって改善させることができるのです。
 
 
#5 どんな食品で摂ろうと、カロリーはカロリーだという誤解。
 こんな風に考えたらわかりやすいです。
 同じ100キロカロリー
 「砂糖」と「お肉」
 同じように太りますか?
 ちがいますよね!
 これは、身体への吸収率が違うからということではないのです。
 二つの食材は、『全く異なる代謝(化学反応)やホルモン反応を引き起こす』のです。
 
 
 
ここまでの5つの誤解が何を示唆しているのかというと、
どれだけ食べる量を減らすかということよりも、(むしろある程度量も必要)
何を食べるかという食べ物の質が重要であるという科学的根拠があるということです。
 
 
【以下は、カロリー制限をすることのデメリットについてのご紹介】
 
〇「摂取カロリーが増えても太らない」というアメリカ20年研究の結論
ここでも単純な「高カロリー=肥満」が長期研究によって覆されたことを解説します。
米国国民健康栄養調査として、1990年から2010年のデータを持ち出します。
この20年間で毎年、肥満者が0.37%増えたが、その間摂取カロリーは一定だった。
これは、明らかに摂取カロリーが増えることが肥満が増えるという理屈を20年かけて覆した研究となります。
その他にもイギリスなどでも研究されていますが、同じ結果となっております。
 
〇「食べない人ほどやせにくい」はどの研究を見ても明らかである。
人間の体には、体重をコントロールするためのシステムがいくつもあります。
甲状腺副甲状腺、交感神経、副交感神経、呼吸機能、循環機能など・・・)
そして、脂肪が蓄積してしまうのは、実は「エネルギーの分配」に問題があるとされている。
単純にカロリーを制限してしまうと、総エネルギー消費量が大幅に減ってしまいます。
俗にいう、食べずにダイエットするとリバウンドするということは事実なんです!!
 
〇カロリーを制限しすぎると「心臓」が弱まり「髪」が抜ける。
 体温調整機能の異常 → 体温低下
 心臓の機能異常 → 心拍数の低下、一回拍出量の低下
 血圧の調節機能異常 → 極度の血圧下降
 脳機能の異常 → 倦怠感、集中力の欠如
 身体機能の異常 → 身体活動レベルの低下
 毛髪や爪の形成異常 → 爪が割れ、脱毛
 
〇基本的には「食べた以上」に脂肪は燃えないように設計されている。
 それこそ、エネルギーが枯渇しないためのシステム。
 
〇満腹ホルモンが減少する。
 生命維持に必要なエネルギーを摂取しないと、満腹指示を出すどころではなくなる。
 
〇脳の「我慢領域」の萎縮
 fMRIにて「我慢領域」とされている、前頭葉皮質の活動が弱まることがわかった。
 
〇「カロリーを計算」してもいいが意味はない
 「低脂質、低カロリーダイエットは効果がない」と証明され、
 かつ、人体に悪影響を及ぼすことがわかった。
 むしろ、食事量が少ない人ほどカロリー計算をした方が良いと思える。
 
 
次回もカロリーについての解説をおこなっていきます。