リハビリジャーナル  ~健康志向型科学的アプローチ~

日々、クライアントと健康を追い求めています。

34)説明する その2 

~  Explain ~ 
「堂々とした態度」に「裏付け」をプラス
 
「説明する」ことの重要性や価値については、前回の記憶のメリットを中心にご理解頂けたかと思います。
 
今回は、上手に説明するための7つのコツをお伝えしようと思います。
 
 
(1) 大きな声ではっきりと話す。
 説明するまでもないですが、ボソボソ話されても伝わりません。声だけでなく身振り手振りも大きくハッキリと話すことが大事です。
 
(2) 堂々と自信をもって話す。
 これもボソボソと話すことがダメなことにも繋がりますが、ボソボソと自信なさげに話されても信用できませんよね。相手の方を向いて堂々と話しをしましょう。
 
(3) 最初にポイントを話す。
 説明が苦手な人の話しは、何を言いたいのよく理解できません。
それは、何故か?
”結論を最初に言わない” からです。
最初に結論を言ってしまえば、相手はこの結論について説明しているだなと頭の中で整理しやすくなります。結果として理解度が高まります。
プラスして、結論を言った自分にとっても説明が迷子にならず進めていきやすくなります。
 
(4) 話は短くシンプルに。
 理解してもらおうとたくさんの情報で回りくどく説明する方がいます。一所懸命なのは伝わりますが、たくさんしゃべるほど相手は混乱し、説明はわかりづらくなってしまいます。
 ついつい長くなる人は、短くシンプルにまとめる工夫をしてみてください。
 
(5) 例を使う。
 例示することが重要性は、想像がつくと思うので割愛します。
しかし、とても強力なおススメの方法です。
 なぜかというと、
例えるという行為は、似たような記憶を引っ張り出して、結び付けて説明することなので記憶のしやすさが半端じゃないです。
それに、例える際は相手の立場に立って考えますよね?
相手が経験したことも聞いたこともないようなもので、例えたとしてもそれは例えではありません。
ただの新しい情報です。
このように、記憶だけでなく相手の立場になって考える力も身についていきます。
 
(6) 権威を使う。
 これも当たり前のことですが、「梅尾が言った言葉」と「東京大学の名誉教授が言った言葉」では、まるで説得力が違います。権威を使うことで納得させやすくなります。
 
(7) 数値を使う。
 「多くの方が言ってたんだ」より「90%の方が言っていた」の方が具体性を帯びているので説得力が高まります。
 
Point
”堂々” と ”結論” から話すだけで、説得力は各段にアップする!!

33)説明する その1 

~  Explain ~
意味記憶」から「エピソード記憶」に変換
 
 
アウトプットをするためには、説明する力が必要になります。
逆にいうと、説明する力が身につけば、アウトプット力やさらにインプット力が高まるといえます。
 
今回は、説明することでアウトプットするために必要な記憶力が高まることについて解説したいと思います。
 
記憶の種類として、
意味記憶」と「エピソード記憶」というものがあります。
 
意味記憶」とは、単一の言葉や物などの意味を記憶することです。
たとえば、「りんご=Apple」のように単純に意味の組み合わせみたいなものです。
 
エピソード記憶」とは、まさにエピソードとしてストーリーの伴う記憶です。
たとえば、「お母さんが、りんごを使ってApple Pieを作ってくれて嬉しかった」みたいなストーリーのあるようなものです。
 
どちらが ”覚えやすく” そして ”忘れにくい” かと言うと、「エピソード記憶」のほうなんです。
 
ということは、記憶したい情報はエピソードとして記憶することが重要だということなんです。
 
ここで、”説明する” ことのメリットが見えてきました。
説明するという行為は、エピソードとして語るので記憶力が高まるということですね!
 
じゃあ、何でも説明しようと何も準備せず「やみ雲に話をすればいいか」と言うとそうではありません。
ただ、難しい単語ばかりの補足説明もないような話しは誰も聞きたくないですし。
または、簡単な言葉ばかりでも脈絡のない話しなら結局何を伝えたいのかがわからず「聞き疲れ」をしてしまいます。
 
ということで、
相手に理解してもらうために分かりやすく、かつ面白く聞いてもらうために、ストーリー仕立てで繋がりのある話しを準備することがとても大事ということですね!
そんな素晴らしい説明を聞けば、相手も記憶しやすいし、説明した本人も記憶が強く定着するということなんです!!
 
 
Point
覚えたい事柄は、自分の言葉で誰かに説明してみよう。

32)謝る 

~  Appologize ~
「謝る」のは「負け」ではない
 
何か失敗をしても謝ることが出来ない。
つい、言い訳をしてしまうという人はいませんか?
 
特に「男性」で「地位が高い人」ほど、謝ることが出来ない傾向が強いといいます。
 
素直に謝ることが出来ない理由は、プライドが高く、謝ることは自分の価値を下げると思っているので、自尊心を傷つけたくないというのが一番の動機です。
 
しかし、謝ると自分の「評価」や「価値」が本当に下がるのでしょうか?
 
結論から言うと、全く違います!
 
「素直に謝る」ことは、むしろ「評価が高まる」のです。
 
これは、心理実験でも確認されていることです。
 
みなさんも謝られる側の立場で考えてみてください。
 
「素直に謝る人」と「言い訳ばかりする人」や「他人のせいにする人」
 
明らかに「素直に謝罪して、今度は失敗しないように〇〇します」と言ってくれる人が信頼できますよね!
 
 
自分の非を認めて謝り、失敗を繰り返さないことは自己成長しているとも言えます。
 
「謝る」ことをマイナスと考えず、「評価」を上げるチャンス、「自己成長の糧」と考えていきましょう!!
 
 
Point
「頭を下げる」ことへの抵抗感を捨てよう。

31)叱る その2

~  Scold ~
信頼関係がないと、叱っても逆効果
 
前回、「自己成長を促す叱り方」についてお伝えしました。
実は、これを円滑に行うためには、重大な前提というか重要な準備があります。
それは、”信頼関係” です。
 
いくら正しい叱り方をしても、信頼関係がなくては「もう来ません」と言われてしまうこともあります。
 
そのために、
「上司から部下」と「部下から上司」への信頼関係を築くための相互努力が不可欠です。
 
 
「上司から部下」に対して必要なのは、「父親的な愛情」です。
育てる、成長してほしい。将来を期待し、活躍してほしいから叱るんだという愛情。
 
そして、
「部下から上司」に対して必要なのは、「リスペクトや敬意」です。
この感情がない人は、叱られても「何いってるんだ」、「えらそうに」、「あんたとオレは違うんだよ」と反発して、結果ダメ社員まっしぐらです。
要は「聞く耳」を持つ力がないのです。
 
改めてですが、
上司も部下もお互いの相互努力が必要です。
上司は「叱られたくなるような愛情」を持つこと。
部下は「上手に叱らせたくなるような敬意」を払うこと。
 
私は、これが大事なのではないかと思っています。
 
Point
力で説き伏せようとする前に、リスペクトされるような努力が必要です。

30)叱る その1

~  Scold ~
起こるのは自分のため、叱るのは相手のため
 
新入社員を対象としたアンケートでは、「正当な理由があれば、上司・先輩に叱られたいと思いますか?」という質問に対して、なんと78.5%の新入社員が「叱られたい」と答えました。
 
また、「叱られることは、自身の成長において必要だと思いますか?」という質問に対しては、87.7%の新入社員が必要と答えました。
意外なことに、新入社員は叱られたいし、それによって自己成長したいと思っているのです。
 
または、自己成長したいから叱られたいという気持ちなのかもしれませんね!
 
さらに言えば、適切なフィードバックを受けたいと思っているのかもしれません。それは、間違っていることは教えて欲しいということなのでしょう。
 
ちなみに、「怒る」と「叱る」は違います。
どう違うのかというと、
「怒る」は感情的な暴力よって、相手の言動を支配しようとする行動です。
「叱る」は相手のために、正しい導きを図りたいと思い行動することです。
 
具体的にどう叱ればいいのかというと、
『修正してほしい具体的な行動を指摘する』ことが重要です。
 
「1億円もの損失を出してどうしてくれるんだ!!!」は、ただの怒りです。
「先方との連絡不足が、今回の失敗の要因じゃないのか?」は、叱りです。
 
あるいは、「どうして、こんなに損失が拡大したと思う?」と失敗した原因、理由、対策を手伝いつつ本人に考えさせることも非常に重要でしょう。
 
重要なのは、同じ過ち、失敗を繰り返さないこと。
「気付き」と「対策」が得られて、初めてフィードバックがうまくいったと考えられます。
 
〇自己成長を促す叱り方〇
1:怒らない、感情をぶつけない。
2:「修正」したい具体的行動を指摘する(「行動の変化」を促す)
3:フィードバックする(失敗した原因、今後の対策を一緒に考える)
4」「叱る」「叱られる」~信頼関係を築く~
 
Point
「どうしてくれるんだ!」より、
「こうしよう」の方が効果的!!

29)ほめる その2

~ Compliment People ~
相手が調子に乗らない、効果的な「ほめ方」
 
 
前回の解説で「ほめる」ことの重要性はご理解頂けたかと思います。
本日は、具体的な「自己成長を促すほめ方」について解説したいと思います。
 
(1)「強化したい行動」をほめる
ほめられた行動は心理的に強化されて、もう一度それを繰り返そうという気持ちになります。
ですから、ほめるべきは「結果」ではなく『強化すべき行動』なのです。
 
 
(2)具体的にほめる
ちょっと突拍子もない例えですが、部下が1億円の契約をとってきた場合。
「1億円の契約をとってきてすごいな!」は、結果をほめているので良くないほめ方。
それよりも、どうやってその契約とったか聞き出して、その方法をほめます。
「1億円の契約をとれたのは、クライアントさんの希望に叶うように、あきらめずに企画書を出し直したから。その粘り強さはすごいな!!」と、強化したい「具体的な行動」を出来るだけ細かくほめるとよいです!
 
 
(3)承認欲求を満たす
マズローの欲求5段階仮説」というものがあります。
みなさん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この仮説は、人間の欲求を段階的に高次から低次まで分類したものです。
 
その中で、「承認欲求」というのは、
最高次である「自己実現欲求」の次に重要な欲求に位置付けられています。
 
ここで、改めて「承認欲求」の定義を整理すると、
『自分が集団から存在価値を認めてもらい尊重されたい』欲求のことです。
 
人間が他の生物と比べ、ここまでの社会を形成できたのは「承認欲求」があったからなのではないかと思います。
 
この欲求というのは、限り知らずです。
例えば、一番低次なもので「生理的欲求」というものがあります。
これは、飲みたい・眠たい・食べたいなどの根源的な欲求です。
 
一度は満たされますが、数時間もすればまた欲してしまうものです。
 
「承認欲求」も同じく褒めてもらって味わった ”嬉しい感情” は何度でも味わいたくなるものなのです。
 
つまり、承認欲求を満たす「ほめ方」ができれば、10回ほめても、100回ほめても何度でもその効果が得られるのです。
 
是非、利用者さんや家族など周りの人間をほめるときは、何度でもほめていきましょう!!
 
 
 
(4)文章でほめる
文章の良いところは、記録として残るところです。
よって、何度でも読み返すことが可能です。
 
みなさんも嬉しかったメールを何度も読み返した経験はないですか?
 
何度読み返しても嬉しい気持ちは蘇ってきますよね!
 
「ほめる」を1度文章にすることによって、
「ほめる」の効果は何倍にも膨れ上がります!!
 
そして、文章は冷静に落ち着いて作り込むことが出来るので、
上手な「ほめ方」を成し得やすいですね!
 
ぜひ、公私ともにご活用ください!!
 
 
Point
よかった「行動」を具体的にほめ、
相手の承認欲求を満たそう。

28)ほめる その1

~ Compliment People ~
「ほめて伸ばす」は理に適っている。
 
 
「ほめる」のが苦手です、という人も多いかと思います。
または、「ほめても、つけあがるだけなんじゃないか」と心配する人もいます。
 
しかし、それは「ほめる方法」が間違っているだけなのです。
 
もし、「ほめる」ことへの苦手意識が強い人は、こう考えてみましょう。
 
「ほめる」=「正のフィードバック」
 
どういうことかというと、
「ほめる」ことによって、”良いこと” をしたという「気付き」を与えることになります。
そうすると、”間違ってないんだ” という自信につながり、”良いこと” を続けようとします。
 
ここで、間違ってはならないのは、不適切な行為に対して「ほめる」はダメです。
当たり前ですが、そうすると不適切な行為を強化してしまいます。
 
さらに気を付けないといけないのは、
「ほめられ中毒」になってはいけない。
または、させてはならないということです。
 
どういうことかというと、
「ほめられたい」というのは、いわゆる「承認欲求」のひとつです。
この「承認欲求」というのは、もちろん誰しもある欲求で悪いわけではありません。
 
しかし、この「承認欲求」だけを追い求めて生きてしまうと苦しいものになってしまいます。
このことは、後日解説致します。
 
改めて、
「ほめる」を上手に使い、
「ほめられる」を正しく受け止めることが出来れば、
気持ち良く ”自己成長する” 又は ”自己成長させる” ことが出来るようになります。
 
 
Point
ほめる=フィードバック。
いい行動は、積極的にほめ称えよう!